この記事で解決できるお悩み
- 派遣は3年以上、同じ会社で働けなくなったため心配している方
- 派遣は3年以上、働きたい場合にはどうしたらよいの?
こんな悩みを解決できる記事を書きました。
この記事を書いた人
1社目:メーカー / 営業経験(年収250万)
2社目:転職エージェント / コンサルタント(年収1,000万)
3社目:外資系スタートアップ / 人事(年収1,200万)
10年間の転職エージェント + 人事経験あり。全ての記事は、私の経験をもとに書いています。
私は転職エージェントで、10年間合計1万人以上を担当し、2,000名以上を転職成功に導いてきました。
2015年9月に派遣労働法内のルールが改正されました。
「派遣3年ルール」で、有期雇用派遣として最大3年しか働けないというものです。
現在派遣で働いている方には大きな影響を及ぼします。詳細を解説していきます。
「派遣3年ルール」とは?
派遣3年ルールとは、労働者派遣法に基づく、派遣労働者の雇用保護に関する重要な規定です。このルールにより、企業は同一の派遣労働者を3年以上継続して雇用することが制限されています。厳密にいうと、「同じ会社 + 同じ部署」で3年働けないという内容になります。3年経過後、企業は派遣労働者を正社員に採用するか、他の派遣労働者に交代するか、業務を内製化することが求められます。
このルールは、派遣労働者の権利を保護することを目的としており、長期にわたる不安定な雇用状況を解消し、正規雇用への道を開くことが狙いです。また、企業にとっても、派遣労働者のスキルや経験を活かすために、正社員化を検討するきっかけとなります。
ただし、派遣3年ルールには例外も存在します。特定の専門的なスキルや経験を持つ派遣労働者や、一定の年齢以上の派遣労働者など、特定の条件を満たす場合は、3年を超えて雇用されることが認められています。このルールは、労働者と企業双方に影響を与えるため、正確な理解と適切な対応が求められます。
「派遣3年ルール」のメリット&デメリット
メリット:3年後に直接雇用になれる可能性あり
- 労働者保護: 派遣労働者の長期的な雇用安定化が図られ、不安定な働き続ける状況を改善します。
- 正規雇用への道: 3年を経過した派遣労働者に対し、企業は正社員化を検討するきっかけが与えられます。
- スキルアップ: 正社員化された派遣労働者は、企業の人材育成プログラムに参加できるようになり、スキルアップが期待できます。
デメリット:慣れた仕事を継続することができない
- 雇用の不安定化: 3年未満の派遣期間中、企業は他の派遣労働者と交代させることができ、不安定な雇用状況が続く場合があります。
- 過度な正社員化抑制: 企業がコスト削減を目的に、派遣労働者を正社員にしないように調整することがあるため、正社員化が遅れる可能性があります。
- 派遣労働者の選別: 特定の条件を満たす派遣労働者は3年以上雇用されることができますが、それ以外の派遣労働者は選別される可能性があります。
派遣3年ルールは、派遣労働者の権利保護を目的としていますが、一部の労働者にはデメリットが生じることもあります。企業と労働者双方が、このルールの意義と課題を理解し、適切な対応を行うことが重要です。また、労働者自身も、自身のスキルや価値を高めることで、雇用の安定化や正規雇用への道を切り開くことが求められます。さらに、政府や関連機関も、派遣労働者の権利向上や雇用環境の改善に向けた取り組みを続けることが望まれます。
もし、直接雇用を目指す場合には「紹介予定派遣」を検討しましょう。
*紹介予定派遣とは:派遣期間(最長6ヶ月)終了後、本人と派遣先企業双方合意のもとで、社員になることができる制度です。
「派遣3年ルール」の抜け道
「派遣3年ルール」には、一部の企業が利用する抜け道が存在します。これらの抜け道を利用することで、企業は労働者派遣法の規制を回避し、派遣労働者を長期間雇用し続けることができます。
「派遣3年ルール」の抜け道
- 事業所ごとの交代: 同一企業内で異なる事業所に派遣労働者を移動させることで、3年ルールの対象外とする方法です。
- 業務内容の変更: 派遣労働者の業務内容を一部変更し、新たな雇用契約として扱うことで、3年ルールを適用外にする方法です。
- 雇用の一時中断: 派遣労働者との雇用契約を一時的に中断し、その後再雇用することで、3年ルールを回避する方法です。
「派遣3年ルール」の例外ケース
派遣3年ルールには例外があります。
- 60歳以上の派遣労働者: 一定の年齢以上(通常は60歳以上)の派遣労働者は、雇用期間の制限が緩和されます。
- 終わりが明確な有期プロジェクトへの派遣: 一定期間で完結する業務を行う派遣労働者は、3年ルールの対象外となります。
- 日数限定業務: 1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下の場合、3年ルールの適用外となります。
- 代替派遣: 産休・育休・介護休暇などを取得する正社員の代わりとして派遣される労働者も、3年ルールの対象外となります。
- 高度な専門性を持つ派遣労働者: 特定の専門知識や技術を有する派遣労働者は、企業がその能力を必要とする場合、3年以上の雇用が可能です。例えば、医師や弁護士、ITエンジニアなどの職種が該当します。
これらの例外ケースは、労働市場の柔軟性を維持するために設けられており、特定の状況下で派遣労働者を長期間雇用できるようにすることを目的としています。ただし、例外ケースが適用されることで、一部の派遣労働者が3年ルールの保護対象外となることがあります。そのため、労働者自身が自らの権利を理解し、適切な労働環境を求めることが重要です。また、政府や関連機関は、例外ケースが適切に適用されるよう監督・指導を行うことが求められます。