この記事で解決できるお悩み
- 懲戒解雇って具体的に何?
- 懲戒解雇された。どうしたらよい?
- 懲戒解雇されたけれども、再就職できるの?
こんな悩みを解決できる記事を書きました。
この記事を書いた人
1社目:メーカー / 営業経験(年収250万)
2社目:転職エージェント / コンサルタント(年収1,000万)
3社目:外資系スタートアップ / 人事(年収1,200万)
10年間の転職エージェント + 人事経験あり。全ての記事は、私の経験をもとに書いています。
私は転職エージェントで、10年間合計1万人以上を担当し、2,000名以上を転職成功に導いてきました。
この記事で解説する、「懲戒解雇を隠したまま転職活動できるの?」について読めば、あなたの疑問が解決しますよ。
まずは順をおって、「懲戒解雇とは」についてから、解説をしていきます。
懲戒解雇とは
懲戒解雇は、社内の秩序を著しく乱した労働者に対するペナルティとして行う解雇のことで、会社からのペナルティの中で最も重い処分です。公務員の場合、懲戒免職といわれます。
懲戒解雇の理由には、下記が挙げられます。
- 盗みや横領:職場内での金品の窃盗や不正な取り扱いが発覚した場合。
- 勤務中の飲酒:業務上禁止されている飲酒行為が発覚した場合。
- 業務上の重大なミス:重大な過失により会社に損害を与えた場合。
- 暴力行為:職場内での暴力や嫌がらせがあった場合。
- セクシュアルハラスメント:性的な言動によって職場環境が悪化した場合。
- パワーハラスメント:職務上の地位や人間関係を利用して、他者を精神的・肉体的に追い詰める行為があった場合。
- 職務放棄:無断欠勤や継続的な遅刻、怠慢などで職務を放棄した場合。
- 法令違反:業務上の法令違反があった場合。
- 社内規定の重大な違反:就業規則等に定められた禁止事項を犯した場合。
- 企業秘密の漏洩:業務上知り得た機密情報を不正に流出させた場合。
これらの理由は一例であり、実際の懲戒解雇理由は事例ごとに異なります。また、企業や業種によっては、他にも解雇理由とされる行為があるかもしれません。重要なのは、懲戒解雇が適切かどうかは、その行為が職務遂行に対して十分に重大であるか、また解雇が妥当な対処であるかが考慮されることです。懲戒解雇が適切であるかどうかは、労働審判や裁判所が判断する場合もあります。適切な手続きが踏まれていない場合や、解雇理由が不十分であると判断された場合、解雇自体が無効となることもあります。
日本の社会では労働者の立場は手厚く保護されており、会社は容易には労働者を解雇することはできません。
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懲戒解雇を受けた場合
懲戒解雇を受けた場合、日本では以下のような影響が考えられます。
- 退職金の支給: 一般的に、懲戒解雇を受けた場合、退職金が支給されないことが多いです。ただし、企業の就業規則や労働契約によっては、懲戒解雇でも一定の退職金が支給される場合があります。支給の有無や金額は、各企業の規定に従って決まります。
- 解雇の告知方法: 日本では、懲戒解雇の場合でも解雇予告が必要です。通常、解雇予告は30日前に行われ、予告期間中の賃金が支払われます。ただし、懲戒解雇の場合、予告期間を給与で解消することができます。これは、予告期間に相当する賃金を支払うことで、即時に解雇が可能になります。
- 個人の対応: 懲戒解雇を受けた場合、まずは自分がどのような過ちを犯したのか、そしてどのように改善すべきかを真摯に受け止めることが重要です。解雇理由が不当だと感じる場合は、労働相談窓口や弁護士に相談し、労働審判や裁判を検討することもできます。
労働者にとっては非常に厳しい処分であるため、それ相当のやむを得ない事情で無ければ、認められません。企業が懲戒解雇を行う場合、相応の理由がない限り個人が訴えるリスクがあります。そのため、企業は慎重に行う必要があります。
懲戒解雇はばれるのか?
下記の書類には、「懲戒解雇」という記載があります。
離職票-2
「離職票 - 2」は従業員を雇用保険から脱退させるために、会社がハローワークに提出する書類です。 基本的には会社側が必要事項を記載し、退職者に渡します。この書類は、失業保険をもらうために必要な書類となります。
離職票 - 2には、従業員の退職理由が記載されます。懲戒解雇の場合、その旨が明記されることが一般的です。懲戒解雇が記載されていると、失業保険の受給資格や給付期間が制限されることがあります。具体的には、懲戒解雇により失業した場合、失業保険の給付開始日が遅れることがあります(通常は3ヶ月の給付制限期間が適用されます)。
ただ解雇理由は書かれているものの、失業保険受給書類のため、実際に採用担当者の目にとまる機会は少ないでしょう。
退職証明書
従業員が退職したことを証明する書類であり、以前の勤務先から発行されます。退職証明書には、退職者の氏名、勤務期間、職種や役職、そして退職理由などが記載されます。
退職証明書に「懲戒解雇」という記載がある場合、それは退職理由が懲戒解雇であったことを示しています。懲戒解雇は、重大な違反や職務上の不適切な行為があった場合に適用される解雇理由であり、退職証明書に記載されることで、新たな雇用者にその事実が伝わります。
懲戒解雇を隠したまま転職活動できるの?
本人がそのことに触れなければできるかもしれません。ただ非常に大きなリスクがあります。
- 採用取り消しや懲戒解雇のリスク: 懲戒解雇を隠して再就職した場合、その事実が後に発覚すれば、経歴詐称とみなされる可能性があります。経歴詐称が発覚した場合、採用取り消しや懲戒解雇が言い渡されるリスクが高まります。このような状況は、再び転職活動を行う際に大きなネガティブ要素となり、将来的にキャリアに大きな影響を与えることがあります。
- 転職エージェントの信用失墜: 懲戒解雇を隠したまま転職エージェントを利用した場合、その事実が後にバレると、エージェントからの信用を失う可能性があります。信用を失った場合、その後の転職活動でエージェントを利用できなくなることがあり、転職の選択肢が狭まります。
- 法的リスク: 経歴詐称が発覚した場合、企業が損害賠償請求を行う可能性もあります。これにより、経済的な負担が生じることがあります。
個人的な経験から、面接の中で正直に面接官の伝えるようにしましょう。
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懲戒解雇からの転職成功例「直接応募で誠実に対応」
転職エージェント時代に担当した求職者の中に、懲戒解雇から転職成功を叶えた事例があります。その方が行った転職活動は、直接企業サイトや転職サイトから応募する方法でした。その理由を以下に詳しくご紹介します。
転職エージェントを利用する場合、懲戒解雇の事実をエージェントに伝える必要があります。そして、エージェントは求職者の応募先企業にその事実を伝える義務があります。しかし、事前に懲戒解雇の事実を伝えると、多くのケースで書類選考が通らないことが経験からわかっています。
そこで、担当求職者は自ら直接企業サイトや転職サイトから応募し、「面接」の場で懲戒解雇の事実と理由を誠実に説明しました。その結果、多くの企業が理解を示し、最終的に転職成功を果たしました。求職者自身も、正直に話すことで信頼感が増したと感じていました。
誰もが失敗を犯すことがあります。懲戒解雇を受けた場合でも、自分の過ちを真摯に受け止め、二度と同じ過ちを犯さないという決意を持ち続ければ、新たなチャンスが訪れます。直接応募で誠実に対応することで、再就職の道が開けることを示すこの事例は、懲戒解雇を経験した方々に希望を与えるでしょう。
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